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神さまの言うとおり弐感想【ネタバレ有】

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ブルーロック、僕たちがやりましたの原作者金城宗幸氏のデビュー作。

一言でいうと全世界の高校生同士でデスゲームする話です
グロいライアーゲームみたいな?
主人公は普通の高校生で、知略というよりはチームワークで戦う感じ。

急に飛び出し坊やが出てきて魂抜かれる等荒唐無稽でシュールです。
マスコット的な熊が巨大化してぐちゃあ!なるB級スプラッタ的描写、
少年でも解けそうな程良い難易度なのもあり、
設定の悲惨さの割には全体の雰囲気は軽め。
丁度いいハラハラ程度の鬱に留まっておりサクサク読めました。

見所はユニークなデスゲームと人間ドラマかなと思います。
この2つが良い具合に重ね合わさって相乗効果でどんどん面白くなっていきます。

顕著なのはモテモテ主人公明石靖人の正ヒロイン争奪戦です。
リーダーシップに溢れ、かつちょっと弱い所もある明石。これはモテます!
彼のデスゲーム内ならではの恋愛模様は主テーマです。

最終的にNo.1ヒロインの座勝ち取ったのは丑三清志朗。
見返すと4/20巻位で勝敗決まったようなものですね、妥当かと。

清志郎…?

ええ、この漫画ホモエンドなんですね。
完全にヒロインより野郎選ぶ男✕男のラブラブ純愛エンド。

確かに途中から違和感あったの。
やけに丑三は心情面掘り下げが多いなって。
退場フラグかと思ったけど生き続けて、単に勝ちヒロインだからってだけかよ〜。
同性愛だから片想いで終わるだろうの先入観で気づかなかったな~。

最終巻の大事な人の記憶を賭けて戦う+生き返らせる順番で、
明石君のヒロインナンバリング最終結果は大体分かります。
丑三→ナツメグ→涙ちゃんです。
(記憶のナツメグ順位がイマイチ不明だけどファーストチョイスを優先)

これってほぼ明石が好きになった順、要は死んだ順と逆。
先に射止めるアドバンテージはあまり無く、生き残る事が重要という訳ですね。

となると序盤で割と勝負ついています。
ナツメグは大事な人の為に命を投げ出せる涙ちゃんを憧れの人だと言っています。
自分が生き残る事を目標としてないならそりゃ死ぬわね。

ナナ、ナツメグ〜〜😭
ナツメグ好きなのに〜。

王将の癖に捕まるという明石が1番微妙なムーヴする三国ドロケイ編で助けてくれるナツメグ良くない?
考えなしで捕まった明石にカッコいい!!って盲目で可愛すぎるんだけど〜カッコ悪いだろ。

ただ、そういう健気で可愛いという一般的長所も死ねばぱあ、という教訓自体は納得です。
本作の主人公は博愛的なヒーローで誰でも助けようとする、=ヒロイン的な役割をするキャラクターが多いんですよね。
明石の為に死ねるは足切りラインで、助ける+支えるヒーロー力が決め手となった感じ。

確かに涙ちゃんは可愛く格好良い女性です。
明石から告白してキスしている事からも、恐らく本来1番好みのタイプなのでしょう。
しかし早期退場により最終的に1番逃している訳で、目標とするなら自分より序列上の者を狙うべきでしたね。

ナツメグは死亡時に涙ちゃんのシュシュを明石に渡す等、かなり故人に囚われている印象。
対して丑三は故人<明石が明確です。

丑三は今明石に惹かれるのと同じ位に昔六ちゃんという人に惹かれていました。
大事な物をモチーフに戦う鬼退治編で、みつは六ちゃんの遺品のスケボーを持参します。
が、明石救出の際にこれ以上は無理と察しながらもボードを酷使します。
六ちゃんを忘れる訳ではないが明石に会う為にも故人に頼らず1人で行かなくてはならないと決意、
結局遺品は壊れてしまいます。

丑三の遺品エピソード凄く良いんですよね〜〜。

発動条件が笑顔って良いよね!
六ちゃんと出会う前は練習しても下手くそな笑顔しか作れなかったけど、今は心から笑える。
必殺技が必要な時って、まあ死にそうな時ですよね。
死にそうな時に心から笑えるような人生を歩める人間にワンチャン生きるチャンスを与えるって神は粋ですね♪

ちなナツメグも鬼退治編います。
でもよく分からないまま終わる。

この大事な物パートの鍵、私はチームワークと自主性のバランスだと思うんです。

同じく遺品を武器にした丑三と福満、前者は故人を心の支えにしながらもあくまで自分で戦った。後者は故人に頼り切りでコントロール出来ずに亡くなった。
独善的な登場人物はこの時点で大方脱落済(協調性が無いと解決出来ない課題が多い)

明石の大事な物パートも、青山(生存)との夢の象徴であるボールです。
生き残る意志強固にし、ラスボスにトドメさしました。

ナツメグの大事な物は涙の遺品で、詳細は分からず鬼退治終わります。
分かったのは回復(リカバリ)がナツメグがデスゲームで叶えたい事である、
要は革新的変化が無かった事位。

HP回復って良かった頃の過去の状態に巻き戻すって事よね。
リスクを恐れる彼女に合ってるし実際それで仲間助かりましたが…。

リスクを恐れる現実的な損切り重視プレイヤーであるナツメグ
確率関係なしに自分が望む未来にがむしゃらに進む丑三、
どちらが以降のゲームでより勝ち進んだかは作中の通り…。

持論で恐縮ですが、大きな成功をする為にはリスクは避けられないと思うんです。
現実の成功者も大抵どっかで博打している。

マイナス稼がないようにする恋愛も通常はアリですが、
デスゲームで勝ち残る+かつモテる明石を射止めるには消極的すぎる戦略であったように感じます。
マイナス点が小さいが正義っなら可愛い良い子なまま退場した涙ちゃんが1番だもんね。

仲間の回復は便利だけど自分1人の時にどうしようもなくなるよね?実際ナツメグと明石はその後のどろけいでチーム別れちゃう。
結局どろけいでは丑三やハンナのような前向きかつ一騎当千な人物達が勝ち進んでいます。

ナツメグの所属する太陽の国の王リリイが明石天谷丑三達は希望の為に戦うが自分は絶望から逃れる為に戦うって言ってたけど、
もしかしたらメンタル似た者同士で同グループになりやすいのかな?
ゲーム前から一緒に生きてきたリリィ達は殆どが同組のようだし、同組は皆明石の演説に共感してたし。

明石が生き返らせた明石イメージのナツメグがビッチで、思わず拒絶して溶けてしまうの悲しいわ。
何故ノーパンなのかも分からないままだし、都合の良いひと昔前のギャルゲヒロインイメージなんだな…って。
普通の学園ものなら涙ちゃんと付き合ってそのまま結婚だろうし、デスゲームなら丑三に負けるし、
ナツメグの一般女性の健闘感…デスゲームならではの負けヒロイン感好き😭
明ナツ子沢山夫婦見たかったわ。


丑三とナツメグ、完全個人戦のじゃんけんの対比が面白いです。

2人共明石と一緒にいたい、死にたくないと思っているのは同じ。
でもナツメグは格好悪い所を見せたくないから目を瞑るように言う、
丑三はむしろ勇姿を見て欲しがる。

じゃんけんという完全予測不能運ゲーだからこそわかりやすい、
五分の戦いにおいてナツメグは負けるイメージをするのに丑三は勝つイメージをしています。

じゃんけんでナツメグは明石にキスしますが、目を瞑らせてこっそりするんです。
丑三は明石からしてくれるまで駄々こねる。
作中の明石の反応を見ればどちらが印象に残ってそうかは明らかですね。

ナツメグキスの明石の反応は、今のキス…だよなあ…?って。
そりゃそうです。
目を閉じていて分かりにくい、
意図せず、
ナツメグの生死気になりすぎてそれどころじゃない。

勿論気持ちは分かります。面と向かってキスしてと言うのは勇気がいる。
しかし強請られたからとはいえ自分からキスして、大喜びして余韻で2年持つ!言われた方が印象に残るでしょう。

ナツメグの完璧主義で失敗を恐れがちというのはデスラブゲームでは不利だったな…。

あと、対応差見られるのは涙たんが死んだ時の反応。
ナツメグ曰く、むしろこっちが気を遣う。涙も見せないなんて涙はそんな程度の存在だったの?ねえ!?

丑三の言い分はこうです。
散り際という最も美しい姿を見た事を誇っていい。そして俺の胸で泣けばいい。

ナツメグちょっと厳しすぎると思った〜😩
早く立ち直って欲しい、その為にも明石にしっかり悲しんでおいて欲しいというのは確かに優しさ。
でも好きな子亡くした直後にこの正論はキツいと思った。そんな急に立ち直れないっしょ。
完璧主義&涙に思い入れて平常心を失ってるのが凶と出た感じです。

丑三は涙の事割とどうでもいいから単に明石を心配してる。
涙の死をどう受け止めれば良いか前向きなアドバイスしてる。
明石は好きな子を亡くして心弱ってて、そういう時は頭使いたくないと思うの。
だから自分の胸で泣くようにと具体的で的確な指示をして、実際明石弱音吐きながら泣くんだよ。

北風と太陽みたいだと思った~(泣)
見返すとみつ、涙死亡後とかナツメグのいる檻に送る所とか明石が揺らいだ時に思いやりのあるアドバイス&良アシストしてる。
これは惚れるわ。
こう見ると最初から丑三エンド予定だったのかな…。

ナツメグ言うけど丑三と明石の運命的カプも萌えます!

明石が勝敗や効率よりもナツメグという一個人を気にしている事を見抜く一番の理解者。
自分は明石を生きる理由にしているが明石は心の底から誰かを思いやれる、
お前なら世界を救う光になる、神になれ明石。

そう言うみつに対して明石、俺こそお前が信じてくれる事に救われている、
俺達は死ぬまで光り合う仲間になろう。

丑三は元カレとのプラネタリウム想い出もあってか光って言葉をよく出すんです。
明石が眩しくて見られないとか、自分は六ちゃんや明石に追いつこうとする未熟な新星だとか、
そうやって丑三が明石という光にどれだけ勇気づけられるか散々描写されてきただけに、
明石も丑三に同様に勇気づけられていたというのは最高にハッピー!!!最高!!

結局明石に先立たれて丑三が神になってしまい、
自分の都合が良い設定を与えて生き返らせるとかでなく、
明石に神になって欲しいから選別まで時間を戻して殺して貰うのを待つ。
ドラマチックで良いなと思った♪

デスゲーム部も個性的で好きです。
1番好きなのはババ抜きかな!

この時点になると好きも嫌いも関係性どろどろぐちゃぐちゃだし、
戦略性+運の要素も丁度いい。ルールも分かりやすいし。
カード引く一瞬の緊張感好き。

あとは佑のキャラが面白いから空中ケンパも好き。
空中で足場がどんどん無くなっていく絶望感やばいし、そんな中パジャマで格好つける天才好き。
お前というQ絶対解いてやる…台詞格好良すぎ。

時間切れで全足場無くなる時も最期まで格好つけ続けるの好き。